■ご挨拶

この度、日本AD/HD 学会第1 回総会(日本AD/HD 研究会第2 回総会)の開催を担当させ ていただくことになりました。大学ではなく、病院の部長という立場でこのような会を開かせていただきますのは分不相応という感もいたしますが、牛島会長をはじめ皆様のお力をお借りして、少しでも会員のお役に立ち、その結果としてAD/HD の治療がよりよいものになるような会にしたいと考えております。皆様方のご協力の程、よろしくお願いいたします。

さて、AD/HD はご存じのとおり裾野の広い障害であり、また、他の発達障害などとの合併も多く、さまざまな支援が必要な病態です。一方、AD/HD の治療が日本で広くなされるようになってきたのは比較的最近のことであり、学童期から治療を続けているAD/HD の子どもが思春期になり、成人になっていくのを見守り、支援する時期に入ってきています。特別支援教育の対象として注目している教育の分野も、AD/HD の特性を抱えながら思春期になり、成人期になっていく人々の縦断的な支援は困難です。長期に縦断的に対応できるのは医療であり、そこへの期待もあります。そのような現状を踏まえ、今回は、思春期から成人期に至るAD/HD の状況を皆様で共有し、どのような治療や支援が必要かの知見を集積したいと考えております。そのために、全体テーマを「AD/HD への生涯支援」とし、シンポジウムでも思春期のAD/HD に関して取り上げる予定でおります。また、近年、AD/HD 症状と双極性障害との関連も話題になっており、思春期から成人期のAD/HD を考える上で注目すべき視点と考え、何らかの形で取り上げたいとおもいます。

多くの皆様が活発に意見を交換し合うことにより、AD/HD への知見が共有され、思春期、成人期に至ったAD/HD の方々への支援がより適切になされるようになり、翻って、児童期のAD/HD への治療も将来を見越してより豊かな治療になることを願っております。年度初めのお忙しい時期ではございますが、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。

会長:奥山眞紀子(国立成育医療センター)

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